日曜美術館 柚木沙弥朗 染色家 うれしくなくっちゃ生まれない模様人生




柚木さん、模様を生み出す秘訣はなんですか?うれしけりゃいいんだよ 

なんでも、おもしろいなぁーとおもって

たまらなく・・・


     

こんにちは。

とても楽しく面白くて

 明るい絵を描かれている方みつけました。

日曜美術館で紹介された。

柚木沙弥朗(ゆのき さみろう)さん 

95歳です。

その作品のかずかずに感動してしまいました.

               生命の樹

      

                                               機可文布

      

13年まえに奥様をなくされ、

現在 ヘルパーさんやご家族の協力を

得ながら一人暮らしされています。

そして、毎日作品を作られておられます。

その日常やいままでの人生模様を

紹介されていました。


    

     朝から型紙作りの準備です。


           

棒の先にチョークをつけてお手製の道具で

かろやかにすいすいと 頭の中にあるイメージを

大胆に描いていきます。

    

                                   

       


    ご自分の体よりはるかにおおきい

                 


   

                 不思議な形


          


これ木の形なんだ。

広い公園に置かれた木でね。

木が絡んだりしてるのに

光があたると木の姿が

みえてくるでしょう

そうすると、木の死んでいない

生命力のようなものを感じる。

木のような気持ちになって、

木と共鳴し合うっていうか

お互いに話をするようなかんじでね。

木は黙っているけど、

おれにはこんなに寿命があったんだよと

言ってる気がするんですよ。


 アイデア  どこから浮かぶの?

  ならぶ人

     通り過ぎるバスをぼんやり眺めていたとき

     人々が同じ方向をむいて

    すわっている姿が面白くなって

    この模様がひらめきました。

   信号Ⅱ

     赤と青が入り組んでいるにぎやかな模様

    このアイデアは信号です。

爪文帯地 

どこかでみたことのあるような・・

爪です。

柚木さんの手にかかると

身近にあるありとあらゆるものが

いきいきとした模様になるのです       

          

      

   伝票

日常にひそむおもしろさを探す名人

手にとったのは伝票

裏がえしてみると黒墨の形が

面白いとおもって

日常的に見える形というのは

僕らのとてもヒントになるのね

 

 

     すべては自分のこころもち


   うれしけりゃいいんだよ

  なんでも面白いなぁとおもって

  たまらなく不機嫌だったり

  悩みがあったり

  頭がそっちの方にいってるときは

  そういうことかんじないのよ

  だけど

  かりに天気がよくってさ

  ぱーっとした日が日曜日だったら

  誰でもなんでも愉快じゃない

  そういう状態であれば

  とくに旅行だったら

  なんでも新鮮にみえるし

  旅行しなくても日常のものが

  そういうふうにみえたら

  楽しいじゃない


 1992年 柚木さんは

 東京の田端に生まれました。

 育ったのは祖父も父も画家という

 芸術一家です。

 柚木 沙弥郎 (ゆのき・さみろう)

1922年、東京生まれ。祖父は南画家、父は太平洋画会で活躍した洋画家。42年、東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学するが、翌年学徒動員。終戦後、46年に岡山県倉敷市にある大原美術館に勤務。柳宗悦が提唱する「民藝」との出会いを機に、芹沢銈介の型染めカレンダーに魅せられ弟子入り、染色の道を志す。49年、最初の作品を第23回図画会展に出品。55年、銀座のたくみ工芸店画廊にて初個展。以降、50年以上にわたり制作を続け、数多くの個展やグループ展で作品を発表する。一方で、72年、女子美術大学の教授に就任、87年に学長に就任し、91年退職。2008年〜2010年、パリのGALERIE L’EUROPEで、3年連続で個展を開催し、現地で高い評価を得る。12年4月には、神奈川県立近代美術館で開催された『村山亜土作「夜の絵」とともに 柚木沙弥郎展2012』が好評を博す。

          出典     WEBマガジン『LIFECYCLING interview & photo』

 記念すべき出会い

 就職先の大原美術館の

 売り場でみたカレンダー

大原美術館の絵はがき売り場に

12枚飾られていたのを見て

ショックをうけました。

文字でもない絵でもない

模様というものに

初めて開眼した記念すべき

出会いだった。

特に9月が、とても好き

トンボがとんでね

トウモロコシがいきいきしてるでしょう

活力みなぎってみんな

わくわくする気分があるんですね。

実用的なものでありながら美しい。

  

これからやるぞーという決心に

火をつけた 火元ですね。

それは芹沢銈介(人間国宝)

の作品でした。

終戦直後 食糧すら手に入りにくい時代に

一枚、一枚、型を彫り和紙を染めて

作られていました。

芹沢銈介  

 ■ 略 歴
イタリア・アッシジにて (1966)
1895年 5月13日、静岡市に生まれる。

1916年 東京高等工業大学(現・東京工業大学)卒業。

1929年 国画会展に「紺地蔬菜文壁掛」(杓子菜文)を初出品、国画奨学賞受賞。

1939年 初の沖縄滞在。紅型の工房に通うとともに、沖縄の風物に深い感銘を受ける。

1956年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。

1967年 静岡市名誉市民となる。

1976年 文化功労者となる。フランス、パリの国立グラン・パレで大規模な個展「芹沢銈介展」が開催される。

1981年 静岡市立芹沢銈介美術館開館。

1984年 4月5日、逝去(享年88歳

出典:静岡市立芹沢銈介美術館

その後芹沢銈介に弟子入りし

 芹沢の勧めで江戸時代から続く

 染物屋(正雪紺屋)に

 住み込み修行をはじめる。

   そして2年目  初めての作品

   紅型風型染布 

    沖縄の伝統的な染物紅型模様を

    自分流にアレンジしたもの

     

  

   この作品が柳宗悦 思想家で、

          日本民芸館初代館長の

    目に留まり日本民芸館にデビュ―作が

          おさめられている。

 日本民藝館にて 展覧会

 柚木沙弥朗の染色 もようと色彩

 開催中の展覧会です 

  6月24日(日)まで

  7/3(火)~9/2(日)*規模を縮小して展示


 

 

  命のこもった精神性のあるものを

  つくりたいとおもっている。

  そうしますと、自然と具象的なものよりも

  こういう形のほうが合ってるような

  気がするんです。

     染め職人 中辻理晴さん

  16歳で助手になり60年以上

   柚木さんがつくった型紙をもとに

   布に染めていく、大事なパートナーです。

           染めない部分に染料がはいるのを

              防ぐためのりを置く作業です。

       作業終了        

  型紙といっしょに渡されるノート

  型紙といっしょに渡されるノートです。

  作品ごとに色のニュアンスや

  染料の組み合わせや

  柚木さんの指示やイメージが

  書き込まれています。

  そのやりとりのなかで多くの作品が

  生み出されました。

  


             60年来の あ・うん のこきゅうで

             形にしていきます。

       

 暮らし

 柚木さんは16年前に奥様をなくされてから

 家族やヘルパーのサポートを受けながら

一人暮らしを続けてきた柚木さん

95歳になった今

家事ひとつでも容易ではありませんが

作れるものは自分でつくり

食事を楽しもうと心がけていらっしゃいます。

 自分の使っている皿とか

 ナイフとかと

 語りあうのが楽しいですね

 いただいた彫刻ですけど

 朝の晴れた日に光が入ると

 すごくきれい

 希望が湧いてきますね

 ここのシンボルになってます。

  教え子

  60年来の親交があり柚木さんの作品を

  日々ながめながら暮らしています。

当時は親しみやすい作品とはうらはらに

以外な一面がありました。

神経質で、機嫌が悪いときは

パッと溶け込めるようなところはなかった。

今はどんどん自由になってらっしゃる。

 おもちゃ

 還暦をすぎるころまで窮屈な気分で

 過ごしていたという柚木さん。

 もともと真面目、何事もキチンと

 こなさなければと

 思い詰めることがよくある。

 時間い追われる制作の日々に

 疑問をもち旅に出ます。

 向かったのはアメリカのサンタフェ。

 出会った素朴なおもちゃに心奪われます。

仕事は行き詰まったかんじだった。

おもちゃを見たときに

作った人は経済的に

貧しいかもしれないけど

ひじょうに明るくって生活を

楽しんでるという

印象をうけたんですよ。

ほんとうに飛び上がるくらい喜んで

今までの窮屈な考えから

ぬけだしたような気がしたのね。

洗濯したシャツを着替えるくらい

さっぱりした。

これでいいんだ

なにしてもいいんだ

という気がした。

そういうことが、

これからの自分の生き方に

大きく影響したんだとおもいます。

そばに置いて並べて眺めていると

元気かいと

むこうからいってくるんだよ。

そんなにあせることはないよ、と

いってるような気がする。

 この頃から いろんなことに拡がって

          

     紙粘土


   版画

          切り絵

    いろいろないい紙があるので

  それを並べるとお互いの配色でもって

    どんなものをつくろうかなとおもうわけ

  なるべく、普段使わない配色で

  やってみるんですよ。

  並べてみると意外とおもしろい色が

  ありますよね。

     先入観があるような形で

   ないもんができれば

   おもしろいと思ってるんです。

   だから どんなふうになるか

   期待があるじゃない。

  いやぁー おもしろいね。

 やってて おもしろいからね

 やめられないですね。

   柚木沙弥朗のある風景

           信州松本 浅間温泉 菊之湯さんに

     柚木さんの作品が飾られています。

ギャラリーTOMにて

   安田侃さんとの展覧会

北海道美唄市出身で、イタリアを主な拠点に活動している彫刻家。 ウィキペディ                       1945年1月5日 (年齢 73歳) 北海道 美唄市

     

     お互いにじゃましないでね

   共鳴しあってるのは

     素晴らしいことだと思います。

先生にとって模様とは

なんなんでしょうか

        

模様ってのは形だと思う。

形っていうのはなんだろうって

形っていうのは

人間も形ですね

だけど、それが崩れて消えてってしまうんですよ。

そういう宿命がある。

そういう形は

見たときに 

ただ 形が、みえるだけでなく

そのものがもってる  

形がもってる物語  

今までずーと祖先から伝わってきた形

時間とか歴史みたいなものをふくめて

それを感じるか 感じないか

それが模様だとおもうんですね

本質ですね

そのものの本質

それ安心してんの

それを感じとる命 

命ですね

生きざまとかいいますね 

命ですよ。

そういうものを感じたものを

今度は出していく

模様のもってる命と

先生の持ってる命と 出会って

そこで、こう・・

相互作用

一方通行でなくて

だけど、言葉でいうと むずかしいけど

自然とおこなわれることだと思う。

 新作が出来あがる

 まさかこんなでっかいのやると

 おもわなかった

 でっかいのん やんないと

 やってて おもしろいの

 おもしろい

 おもしろくなきゃできないよ

 苦労のしがいがある。

       

               なんでも おもしろがる

               うれしい気持ちを抱きながら

 おわりに

 いいですねー

 おもしろがりながら暮らす人生。

 ストレスや、ねばならない事を

   抱えながら暮らす日々に

 あったかい灯りがともったようです。

 私も絵がすきで、こつこつ描いていますが、

 柚木さんの作品をみると

 ぴゅーんと心のなかにはいって

   いいなぁーが、ひろがっていきます。

     

 柚木さんの言葉や作品をできるだけ

 たくさん見て頂きたかったので

 映像中の写真をたくさん使わせて

 頂きました。

 ありがとうございます。

 最後に柚木さんが描かれた絵本です。

http://www.samiro.net/works/ehon/ehon.html

 今日もお読みいただきありがとうございます

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